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それでも一応、社会人らしく、福澤とは普通に接したつもり。
だが、こちらもやっぱりぎこちなさは否めなかった。
そして、もう一つの悩み。
それが、この週末の自主トレ。
正直、せっかくの先輩の提案でもあり、
一人で、これからも続けていく自信もなく、
出来る事なら、しばらくの間だけでも、先輩に手伝って欲しいとは思った。
だが考えれば、いくら遠距離恋愛とはいえども
彼女のいる人と、毎週末を二人で過ごすのは間違いなのかもしれない。
そんな声も、自分のどこかから聞こえてもきた。
そうだよね……。先輩に甘えてたんだよね、私。
ようやく気まずい日々を終え、週末を前にお風呂に浸かれば
やはり、それが事実だと思えてくる。
そしてその夜、私は、
翌日に、きちんと先輩に自主トレの断りを入れることを決意した。
ところがこれが、蓋を開ければ、事は思いがけない方向へと流されていった。
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