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そして、
「じゃ、今日は3時でどうだ? 買い出しも行こうぜ」
あまりにも当然といった彼の様子に、ほんの少しだけ言葉に詰まった。
だが、とにかく今日は約束を果たさなければと、思い直す。
「はい。じゃあ、3時に外廊下でお待ちしてます」
おう。
短く頷いた先輩は、そのまま壁の向こうにまた消えていく。
だがそれに、なんとも複雑な溜息が自然と零れた。
正直、それからの数時間は、先輩にどう断りを切り出そうかと、
そればかりが頭の中を巡り続けた。
その結果、やはり彼女のいる先輩に
毎週、自主トレに付き合ってもらうのは間違いだと思うと切り出すのが
一番正当で、自然だという結論に辿り付く。
しかし、それからは、なんだか妙な緊張に包まれた。
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