4 「じしん」にグラリ

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自分でも自覚できるほど、私にしては、すごく積極的だと思った。 そして、当然ながら、目の前の福澤も同じことを感じたのだろう。 「良いアイデアだと思うよ。 じゃあ、俺は、引き続き主菜のアイデアを考えてみるから、 豊田さんは、副菜に昇格するためのポイントを纏めてみてよ。 できれば、商品の紹介文句なんかも一緒に考えて」 はい。 頷いた私は、確実にものすごい笑顔だったと思う。 そして、この部署に配属されて約一年半。 初めて仕事が楽しいと感じられ、それがまた嬉しくて、 仲の良い同僚とランチをした後、川澄先輩に短くお礼のメールを入れた。 『昨日の、自主トレ中のアイデア、最初のOKもらえました。 ありがとうございました。』 そして、その日の夕方。 帰り支度をしつつ携帯電話を見ると、そこにはメールの着信。 『そりゃ、良かったな。 じゃあ、ちゃんと企画に繋がったら、飯でも、おごってくれ。』
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