4 「じしん」にグラリ

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別に、普通のやり取りだと思う。 それなのに、なんだか妙に私のテンションが上がってしまった。 しかもそれが、そのまま私の勢いになる。 その結果、私は、OKサインを貰ったアイデアの企画書を 人生初と思えるほどの集中力で作り始めた。 正直、冴えた勘とは無縁の人生だった。 もちろん、テストの山勘も宝くじも当たったことは一度もない。 だが今回は、なぜか心の隅っこに、上手くいく予感が小さく渦巻く。 だからだろうか。 私は、入社以来、味わったことのない活力みたいなもの感じていた。 その結果、金曜日の朝一で、仕上がった企画書を福澤に見せると 少しばかり驚かれた。 「すごいなぁ、今までで最短じゃない?  それに、この『ベジパワー・チップス』っていう商品名も、なかなかいいね。 『女性の方、必見!』ってコメントをメニューに添えるのも、客目を引くと思うしさ」 そう言って企画書にOKを出してくれ、 それどころか、そのままの足で課長に持って行くと、すんなりOKが出る。
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