4 「じしん」にグラリ

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しかも、この企画を開発会議にかける際には、 「まずは「お通し」として出し、流れを見て副菜としたならば……」 という風に持ち込むようにアドバイスまでされる。 人生初の、最大集中力。 入社以来、最速の仕上がり。 そして配属以来、初めて開発会議へ向かって大きく一歩が進められた。 正直、なんか呆気ないくらいに、事が上手く進んでいく。 だがその事実が、一年以上、悩み続けたハードルを下げ 替わって、小さかった私の中の自信を少しだけ膨らませる。 そして、いつもの如くそれは、そのまま私の様子に現れていたのだろう。 一緒に喜んでくれる福澤に、尋ねられた。 「良かったね。それにしても最近、すごく張り切ってるよね。 何か、良い事でもあった?」 だが私は、素直な気持ちでかぶりを振った。
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