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「良い事っていうよりも、やっと自分の身の丈が見えてきたって、感じですかね」
「身の丈？」
まぁ、当然だろうが、目の前の福澤の頭の上に「？」が浮かぶ。
その様子が、どうしてか私の心を少しだけ浮かれさせた。
優越感でもなく、心躍らせる感じでもない。
ただ、変な嬉しさに口元が綻ぶ。
そして同時に、なぜか無性に先輩にお礼が言いたくなった。
だから携帯電話を手に、ちょっとオフィスを抜け出して
今度も短くメールを送ってみた。
『企画書、初のＯＫ出ました。週末の自主トレで、好きな物ご馳走します。』
もちろん、すぐに返信がくるわけもない。
そして、その返事に気付いたのは、帰宅の支度をしている時。
何気なく携帯電話を取り出して、着信に気付いてメールを開いた私は、
ちょっと笑ってしまった。
『オメッ！ じゃ、今週末は焼肉な。
って、ちゃんと作るんだぞ、お・ま・え・がっ！』
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