4. 攻略開始!

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黒羽さんと藤崎さんの様子には、やっぱりドキドキされっぱなしだ。 『ホモが嫌いな女子はいない』 という言葉を少女漫画で読んだことがあるけど、改めて本当だと思う。 ボタンをしっかりと留めた黒羽さんは、だらしなく緩んだ藤崎さんのシャツをズボンの中に押し込んで、腕を組んだ。 「少しは、マシなったか。あとは、この女のような髪だが ……」 「後ろでくくるしかねーだろ」 「え?そこまでしなきゃダメ ?」 「よし、何か縛るもの出せ」 「そんなの持っているわけないでしょ」 「まったく……」 呆れた表情を浮かべた黒羽さんが、私をじろりと見た。 「葉月さん」 「は、はい」 「何か留めるもの持ってないか ?」 「あっ、あります」 私は、左手首に着けていた、少し伸びた黒いゴムを急いで外すと、黒羽さんに手渡した。 「よし、これで髪を全部くくれ」 「子猫ちゃん、これちょっと使い好ぎなんじゃない?」 かああ、と頬が熱くなる。 女子力が、低すぎる自分が本当に恥ずかしい。 くくっと笑った藤崎さんは、髪をゆっくりと掻き上げ、手際よく髪に指をはわせて、髪を束ねた。 人差し指で眼鏡を上げながら得意げに黒羽さんを見据えた。 「これで満足だろ?」 藤崎さんが軽く首を傾けると、 きっちりとボタンが留められた白いシャツの上で、金髪の束がさらりと揺れた。
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