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……
それから数カ月が過ぎ。
噂どおり、
ナカダ氏の女性関係は華やかで。
編集部の個室で執筆していると、
巴さんが逐一報告してくれる。
＞以前の相手は銀座のホステス。
＞今はＣＡと有名モデルの二股。
＞かと思ったら、女医さんとも。
＞中田さん、絶倫ですよお。
普通の女であれば
好きな男のそんな話を
聞きたく無いだろう。
…だが、私は普通では無いのだ。
もっとブイブイ遊んできてください。
貴方のその色気は、年中無休なのですっ。
残念ながら私はそのハーレムに
加われませんが。
なぜなら、
許婚殿のハーレムに加わる予定でして。
たぶんナカダ氏よりも、
許婚殿の方が絶倫かも。
私１人では満足させられないから、
むしろ愛人たちがたくさんいた方が
助かると思っているほどなんですよ。
なあんてね。
えへへへ。
…本心は絶対に言えない。
だって、言ってもどうにもならないから。
ある日、ナカダ氏が私に訊ねた。
「リナって俺のこと好きだよな？
でも、最後まで絶対にさせないし、
他の女のところに行っても怒らないのな」
「…勘違いですよ」
そう、
私は質問の一部分にだけ返事をしたのだ。
好きなのは、本当。
でも、
『他の女のところに行っても怒らない』
というのは貴方の勘違い。
実は貴方に気づかれないよう、
すごくすごく怒っているのだから。
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