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「えぇ、魔法使いの中でも上位にあたる『色』の称号を最年少で受けた、あのアルカですよ」
エルアルトの声を背中で受ける。
「えぇ、ですが……」
戸惑い気味に話す男の声は、俺の記憶の中で一致する人物はいなかった。
どうやら、この屋敷の主人だろうか。
「はっはっは、ただの青ジャージの貧乏学生に見えますが、あれでも彼のスペシャル・コスチュームですから」
嘘こけ!
振り向くと、少し離れた場所で黒い革張りのソファに座っているエルアルトとママの姿を発見した。
ママはいつものロリータファッションだが、エルアルトは旅装束だ。
二人の向かい側には、身なりの良い小太りの中年男が座っている。
銀の髪は不自然なまでにふさふさとしていた。
どう見てもヅラだろう。
脂ぎった丸い顔にはつぶらな瞳。愛嬌があり、典型的な金持ちといった風貌だ。
良いモノ食ってるんだろうな。
それにしても……パワーキャラ担当のママがソファに座っているということは、俺をぞんざいに放り投げたのは誰なのか?
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