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バン! と大きな音がして教室のドアが勢い良く開く。 「覚っ!!」 ドアの音に負けないくらいの大声を上げながら、ダウンジャケットを着込んだ一人の男の人が教室に飛び込んで来た。 その顔を見て、私はこれでもかと目を見開いた。 「えっ!? き、京本くんっ!?」 私の目には、京本くんにそっくりな顔をした男の人が映っている。ただし、その姿はもうすっかり大人になっていた。彼も私を見て驚いたように目を丸くする。 ど、どういう事? だって、京本くんは確かに今ここに居るのだ。紺色のブレザーを着て、目の前に。 「意外と早かったね」 目の前にいる制服姿の京本くんはニヤニヤと余裕の笑みを浮かべている。 その言葉で我に返ったらしいダウンジャケットを着た京本くんは、そちらに顔を向けると叫ぶように言った。 「お前、ふっざけんなよ!!」 「まぁまぁそんなに怒んないでよ。せっかくチャンス作ってやったんだからさぁ」 「勝手なことすんな!!」 「おー怖い怖い」 一人状況を飲み込めていない私は挙動不審になりながら二人の京本くんを見比べる。 「あーあ。そんなんだからダメなんだよ。このヘタレ兄貴が」 制服姿の京本くんが言い放った言葉に衝撃を受けた。 ……兄貴? え、兄貴って……お兄さん!? 開いた口が塞がらないかった。
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