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「フィージビリティ・スタディね。事業化可能性を調べること」
ハバがうっとりした顔でいう。
「さすがせなちゃん、頭いい」
せなが信吾の顔を見た。うなずいてサトシにいう。
「うまくすれば罪に問われないかもしれない。アテンドと書類をわたすだけで押し切って。あとはしらない。おかしな放火が連続して怖くなった。会社にきいても謎の中国人についてはなにも教えてくれない。それでいいよ、サトシくん。任意で取り調べを受けるまえのほうが警察の心証もいいと思う。明日、いける?」
身震いしてからサトシはいった。
「ああ、ものすごく怖いけど、がんばってみる」
*
そこから先は全国版の週刊誌にも二、三回掲載されたので、大須の街を舞台にした海外ファンドの地上げと謎の連続放火については、覚えてる人も多いだろう。福建省からきたふたり組は翌日逮捕されたが、サトシのいうとおりなにも口を割らなかった。そのまま裁判を経て、有罪が確定した。
サトシは成人になってからは初めての犯罪で、無罪とはいかなかったが2年間の執行猶予がついて、今もこの街で暮らしている。海外ファンドの日本法人は辞めて、ハバのライバルの台湾系唐揚げ店でバイトをしている。
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