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「なんでだよ。……別に頭ごなしに学校に行けなんていうつもりはないが、理由を聞かせてくれよ」
「なんで君なんかに……。まあ別にいいけどさ」
そして僕は語る。
学校に行けなくなった原因を。
「告白、したんだよ。さっき怪人にとらえられていたあの子に」
そう。僕は数日前、梶原さんに告白した。たぶん一目ぼれだったと思う。僕はずっと梶原さんのことが好きで、この間ついに告白したんだ。
「ふられたのか」
「…………」
僕はルークの言葉に何も返せず押し黙る。
「気にすんなって。そんなこと。これもきっといい思い出になるさ。青春はいいねえ。さっさと次の女見つけるか、もう一度アタックしてみろよ」
「いや、僕もただフラれたならいいんだけどね」
「どうした? こっぴどく貶されたのか?」
「梶原さんはそんなことしないよ。ただ……」
「ただ?」
「『ごめんなさい。私レズビアンだから男性とはお付き合いできないの』だって! もう希望なんてありはしないよ!」
「ぶふっ……。そりゃあ傑作だな!」
「わ、笑わないでよ」
「こ、これが笑わずにいられるかよ……っ! すまん。腹痛い」
僕の目の前で笑い転げるルーク。あの。そろそろもう一発殴ってもいいですか?
あの言葉を聞いた時には本当にショックだったね。「異性として見れない」「他に好きな人がいる」とかなら、まだ希望があるかもしれないと思えるけど、「同性愛者なんです」はさすがに諦めざるを得ない。
「そりゃあもう希望はねえわな。さっさと次の女見つけろよ」
「いや、僕だってそうしたいんだけどさ。そうしたいのはやまやまなんだけどさ」
失恋したから次の子ってわけにはいかないじゃん。僕の彼女への恋慕は、いまだ消えていない。
その証拠に、僕はわざわざ彼女を助けるために恥ずかしい恰好晒して魔法少女として戦うことを選んでしまった。
「けどよ。お前がその失恋でショックを受けたのはわかるが、それと不登校がどう繋がるんだ?」
うっ。痛いところついてきた。
「いや、さ……。怖いんだよ」
「怖いって、学校に行くことが、か?」
「うん……。なんというか、僕、友達もろくにいないからさ。クラスメイトに馬鹿にされてるんじゃなかって不安で。あと梶原さんに変な目で見られるのが怖い」
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