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結果を話し合ってさらに待っていると受付の奥からニニアさんが出てきた。気づいたレン先生が談笑している生徒に声をかけ静かになる。
「やあお待たせ、できたよみんなのギルドカード!順番に渡すから受付に並びな!」
ニニアさんの言葉を聞いてようやくできた自分のギルドカードに待ちきれない生徒が受付に走っていった。レン先生の貰ったらここに戻れという指示は果たして聞こえているのか。受付に走っていく生徒たちを周りの冒険者たちは元気がいいと愉快そうに見ている。俺たちも配布の列へ加わった。
しばらく待ってまわってきた自分の番。受付のギルド員にクラスと名前を聞かれる。
「お待たせしました。クラスとお名前お伺いします。」
「Sクラス、クレア・セリシアです。」
「クレア・セリシア様ですね。しばらくお待ちください。」と受付の後ろに並べられたギルドカードの中から俺のものを探すギルド員。左奥のほうにあった一つを手に取って帰ってくる。
「あなたのギルドカードはこちらになります。別のギルドカードはお持ちですか?」
「はい。」
「では当ギルドの管理表に記入しますのでご提供願います。」
十ヶ所までなら重複して登録できるギルドは所属先がお互いにここに所属していると認識できるようにしなければいけない決まりになっている。理由は色々あるが一番の理由は人探しが大変だからだ。
例えば"戦士の宴"に俺あての緊急依頼が来たとする。その時俺が"戦士の宴"で依頼を受けて不在ならどこにいるのか把握できるから連絡が取れる。
俺がその時"小鳥の隠れ家"で依頼を受けている場合、"戦士の宴"から見ればどこにいるのかわからない状態になる。そういう時どこのギルドに所属しているのかが判明していれば"戦士の宴"が"小鳥の隠れ家"に連絡して俺を見つけることが可能になる。
名指しで依頼が来ることは結構ある。高ランクの冒険者なら魔物が増えたから倒してくれという依頼が来たり、街の人の頼み事ばかり受けている低ランクの人にあの人の仕事は丁寧で早いからという理由で来ることもある。そういう時用に新規で登録したり脱退した時はこのように管理表に控えることになっている。
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