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なにより、その熱意がえぐい。ギレルモ監督の前作は重量感とアングルと演出がこれでもかと言うくらいロボットをロボット足らしめていて、それが夜の決戦と深海の決戦で見事に収束させてみせたのが素晴らしかった。
対して、今作の決闘は基本昼。夜に戦うことも無いわけじゃないけれど、全体を通してそれは精々一回くらいしかないと思われ。
この変化はなんだろうか、って話になると、監督が変わったというテンプレ以上に、作品の状況が変わった事が起因していて、それが作品内時間の十年というスパンを端的に表してくれています。
過去、夜に戦った彼等はヒーローであると同時にレジスタンスで、そこには粗野と能率化の関係からくる雑多さが転がっていた。前作のガジェットで小綺麗に整っているのはコックピットとコントロールルームくらいで、それ以外は鉄と油の芳しい香りが漂ってくるほど、ある意味乱暴な作りをしていました。
翻って、十年後に当たる今作はヒーローであるけれど、驚異が去った後に残されるイェーガーという技術を至極普通にフォーカスしていて、その演出的な在り方も特撮ロボットの系譜に連なる「続編」の在り方だったかなと。しかも割合、近年代の。
ロボットの動きをスピーディーに、コンソールを精緻にして、当時のテクノロジーを先鋭化する。その課程でたち現れる多くの「綺麗」な部分がまた、年代を経たことを認識させてくれる。色調の綺麗さ、雰囲気の清潔ぐあい、それは冒頭十数分のシーンがスラムや強盗の場面であるにも関わらずそこかしこに散見される。
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