第1章

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放課後陸上部が練習している時だった、先輩が取り巻き達と会話していたら、校舎から校庭に続く階段に座っていた先生が大声で怒鳴る。 「ゴラ――! 其処の2人見えないだろう退け――!」 校庭で練習に励む生徒達は皆、その言葉に首を傾げた。 暫くして私が先輩の取り巻きに絡まれた時、また先生が怒鳴る。 「見えないから退けって言っているだろ――!」 そこで生徒の1人が気が付く。 「あの先生、私達の足を見ていない?」 その言葉に校庭で汗を流す生徒全員が、先生の目線をたどる。 確かに先生の目線は、私達の腰から下を舐めまわすように見ていた。 特に私と先輩の足を。 先輩4、私4、その他2の割合で見ている。 その事で校長や教頭に怒られていたけど、先生は何処吹く風って顔をしていた。 「先生が私や先輩を集中的に見ているお陰で、苛められる回数が減ってきたの」 「それで苛められる回数が減ったのは良いけど、そんな事よく出来るね?」 「うん、私もそう思って聞いてみたらこう言われた。 生徒が自殺するのを止める事が出来るのなら、俺は変態って言われても構わないって」 「えェェ――! あの先生がそんなカッコイイこと言ったの?」 「ウン。 その後なのだけど、私や先輩、その他を見る比率が変わってきたの。 最初は先輩4、私4、その他2だったのが。 3、4、3、に変わり、次が、2、4、4、最後が1、5、4になっていた。 そうしたら先輩が集中的に見られる私に同情してくれて、優しい言葉を掛けてくれるようになったら苛めが無くなっていた」
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