はじまりの街

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 が、たろすけはまだまだ育ち盛り。これから伸びるよ、きっと。 「この少年は、たろすけ。私はイシターです。が、今は王子と呼んでください」  王子が、たろすけの肩の上でノミみたいに跳ねる。 「わかった、王子」  ワルキューレはうなずいた。 「受け入れちゃうんだー。素直なところもまた良い」  たろすけは感心した。 「では、わたしはこれで失礼する。たしか、ゾウナの城は北だったな」  ワルキューレは向きを変えた。  話が終わればもう用はない。  それがRPG。  ワルキューレは歩き出す。  目指す先は教会。 「お祈り? あ、セーブか」  たろすけのゲーム知識が試される。 「悪の化身ゾウナを倒すのがワルキューレの目的ですからね。それ以外はどうでもイイのでしょう」  と、王子。 「オレはワルキューレと仲良くなりたいだけなんで、ゾウナとか正直どうでもいい」  と、たろすけ。
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