はじまりの街

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「あなたもモンスターを倒してレベルを上げて強くなれば」  と、王子が言えば。 「リア充になれる!」  たろすけが後のセリフを引き継ぎ。 「か、どうか、すべての鍵はゾウナが握っています」  と、王子が締めくくる。 「じゃあまず、装備を整えないと。武器か金か、とにかく何か出してくれ」  と、たろすけ。  王子が「えいっ」と気合いを入れると、虚空から1足のスニーカーが現れた。 「靴かよ。世界観に合わせてブーツとかにしろよ」  たろすけは驚くよりも、がくりと肩を落とした。  しかもそのスニーカー、新品でなく、たろすけの履き慣れたやつだし。 「支給されたことに感謝してほしいですけどね。もし本来の死因だったら、そんなボロい靴すら支給されません」  恩着せがましい王子。 「ボロい言うな。で、本来の死因だったら、オレどうなってたの? 地獄行ってたの?」  と、たろすけはスニーカーを履きながら言った。 「と、話していると、ワルキューレが出てきました」  王子は質問を無視した。
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