3人が本棚に入れています
本棚に追加
前後、左右、上。どこを見ても細かい星々がきらめいている。
下には青く輝く大きな星が。
地球に似ている。
「本当にごめんなさい。あなたの死因を『まんじゅうをのどに詰まらせたせい』にしてしまって。本来はもっと違う死因だったんです」
イシターの声は若干早口になった。
「結局オレ死ぬんかい!」
たろすけは架空の相方に裏拳を入れた。
「本当に本当にごめんなさい。生き返らせることはできないけど、転生ならできます」
でも姿は見せないイシター。
「じゃあ、ゲームの世界がいい。剣と魔法のRPGでシクヨロ」
たろすけもイシターの容姿に興味を持たない。
「魔王を倒すんですね?」
と、イシターは尋ねた。
「いーや。きれいなおねいさんと仲良くなりてー」
と、たろすけは足もとを見ながら答えた。
眼下に広がる、地球そっくりの星。
「わかりました。それではさっそく、夢と憧れの世界へレッツゴー」
イシターの声は弾んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!