3人が本棚に入れています
本棚に追加
突然だが、たろすけは、はだしで荒野に立っていた。
空間を無視したとしか、たろすけには考えられない。
「展開早いなオイ。何ていうゲーム世界だ、ここ?」
たろすけはあたりを見回した。
枯れ木がぽつぽつと立っていた。
「返事しろよ、神。イシター。おーい?」
たろすけは振り返ってみた。
遠くの方に誰かがいた。
その人は、長い黒髪をなびかせて軽やかに走っている。
たろすけは目をこらしてその人を見つめた。
どうやら女性のようだ。
その女性の周りに突然、白いまんじゅうみたいな物体が4つ現れた。
物体が1つずつ女性に向かって突進する。
女性は片手剣で物体に斬りつけていく。
白い鎧をまとったその女性は、まるで荒野に咲く1輪の花。
「すげー! かっけー! オレの好みにドストライク!」
たろすけは拳を握りしめて彼女を見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!