たたかう、おとめ。

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 突然だが、たろすけは、はだしで荒野に立っていた。  空間を無視したとしか、たろすけには考えられない。 「展開早いなオイ。何ていうゲーム世界だ、ここ?」  たろすけはあたりを見回した。  枯れ木がぽつぽつと立っていた。 「返事しろよ、神。イシター。おーい?」  たろすけは振り返ってみた。  遠くの方に誰かがいた。  その人は、長い黒髪をなびかせて軽やかに走っている。  たろすけは目をこらしてその人を見つめた。  どうやら女性のようだ。  その女性の周りに突然、白いまんじゅうみたいな物体が4つ現れた。  物体が1つずつ女性に向かって突進する。  女性は片手剣で物体に斬りつけていく。  白い鎧をまとったその女性は、まるで荒野に咲く1輪の花。 「すげー! かっけー! オレの好みにドストライク!」  たろすけは拳を握りしめて彼女を見ていた。
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