3人が本棚に入れています
本棚に追加
そんなたろすけに向かって、正面から白い物体の体当たりがヒットした。
「ごふぅ!」
たろすけは倒れた。
気がつくと、たろすけはあおむけに寝ていた。
「気がついたか。キミ、ケガはないか?」
先ほどの女性が片ひざをついて、たろすけの顔を見ていた。
「あ、えっと」
たろすけは起き上がったが、うまく言葉が出ない。
そこに容赦なく飛び込んでくる白い物体。
すかさず剣で打ち落とす女性。
「ここにいると危険だ。すぐそこに街がある。キミも走れ」
女性は白いロングスカートをひるがえし、編み上げブーツで走り去っていく。
「オレ、はだしなんだけど」
たろすけは、ようやく普通にしゃべった。
完全に独り言だった。
だって、たろすけは室内で死んだんだもの。
当時の服装のまま、このゲーム世界に転生しちゃったんだもの。
野生児でもあるまいし、現代っ子のたろすけに、はだしで土の上を走るのは、つらいものがあった。
最初のコメントを投稿しよう!