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「行かないんですか?」
聞き覚えのある声が、たろすけの肩口からせっつく。
「誰だよ」
と、たろすけは声の方に首を向けた。
たろすけの肩に緑色の豆粒、いや、小人が1人乗っている。
小人の頭の左右が張り出していて、簡単に言えばハンマーヘッド。
体に対して頭がかなりデカくてバランスが悪い。
「うわ、ちっさ! イシター?」
たろすけは驚いた。
「じゃねーな。えっと、王子か? 『塊魂』の」
急に冷静になる、たろすけ。
「さすがゲーマー。正解です」
王子がかわいらしい手で拍手する。
「ちなみに、神はおいそれと人の前に現れません。なので、こんな、目に入れても痛くない、ラブリーな姿で登場してみました」
王子は胸を張って言った。
「本当に入ったりするなよ?」
たろすけは顔をしかめた。
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