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「今日はだりぃから先行に休むって伝えてくれ」
ぴしりと言い放った。
「わかったつたえておくね!じゃまたね!」
川谷女子はそういうとパタパタと下駄箱へ走っていった。
それを見送った俺はまたくるりと踵を返しながらニヤリと笑いながら校門へと足を向かわせた。
「菅谷くーん!」
後から川谷女子の大きくよく通る声が聞こえた。
「今日の菅谷くん最初誰だかわからなかったよー!いつものメガネないし、なんか今日目がカラコンでキラキラしてるし、髪の毛ガチガチだし、インナーパーカーだし、身長高くなってヒール履き始めた中学生みたいな歩き方してるし!」
……!
「気合入ってるね!」
……。
「じゃあまたね!」
顔に血液が集まるのを感じた。
身体に熱がこもる。
またパタパタと走り出す彼女に
「まってよぉぉぉぉぉ」
と、カッカッカッと大きな音をたてる靴を脱ぎ捨てて、俺はいや僕は一心不乱に追いかけた。
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