いけない

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土曜日に、5時間かけて彼女に会いに行く。 どうして? どうして私のことがすきなの? 彼女もわかってる。 彼女の言葉は、どうして私のことが友達としてすきなの?だけれど、本当の意味が違うことを彼女も僕もわかってる。 僕が彼女を異性としてすきならもう決して会えなくなるから、彼女はいわない。何故私のことを異性として恋いしいのなんて絶対にいわない。 だからもう、会ってはいけないんだ。 日曜日に、彼女と歩いていたら、花屋を見かけた。僕も彼女も花や木がすきだ。 真っ黄色の、結婚相談所の猫の首輪のいろのチューリップがたわわにバケツに入っていた。黄色ばかり。 ねえ、あの結婚相談所、覚えてる? 覚えてるに決まってるよ。だから私あなたに出会えたんでしょう。 結婚相談所にいた黒い猫、知ってる?真っ黄色の首輪をつけた。 えっ。猫がいたの?全然知らないよ。 そか。黒いかわいい猫がよくいてね、真っ黄色の、あのチューリップのいろの首輪をつけていたんだよ。 10本の束にしてもらって、彼女に贈った。季節が春で僕はせつなかった。 春じゃなかったら贈れない花だった。 10年後にどうか彼女が幸せでいるように、僕はそう思った。 花言葉どおりに、僕は彼女に真っ黄色のチューリップを贈った。 彼女は知っていたのだろうか。黄色いチューリップの花言葉 :報われない恋、かなわない恋
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