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oh my god..
僕はカレーうどんをトレイの上でひっくり返した。反射的に手を伸ばして、衣服に飛び散ることを免れようとしていた。
shit..ていわないんだね。
床を丁寧に、でも焦って拭く僕の頭上で声がした。
目の前に、ウェットティッシュボックスが差し出された。
彼女だ...姿は見えないけれど、あんな感じの行動、声色で僕は彼女だと認識して当然びっくりした。客の少ない時間帯。すぐわかる。
僕に投げかけられた言葉の意味はわからなかったけれど。
彼女は湿った雑巾を、どこかのフードコートの配膳係から借りてきてくれた。
どうぞこれで拭き取って。
彼女の母親はおおきな声で笑っていた。
それで僕は知った。
彼女の母親が何か患っているだろうこと。
彼女の手付きは、育児慣れした母親のようだった。
トレイの上のカレーうどん、どうする?
さすがの僕も、それを食べる気になれなかった。
またこれ注文し直すよと答えて、彼女のおかげできれいになったその場所から僕は立ち去った。
あわてて僕は注文し直しのカレーうどんをかき込んだ。どうしてもカレーうどんが食べたかった訳でもなく、ただ反射的に彼女にいったことを実行した。
時間がないと、ひとは焦る。
場合によってはいい意味で何も考えなくなる。
お昼に起きたことはスムーズに問題解決されて、また僕は職場にもどるけれど、いまいち昼食を摂った気がしなかった。満腹なのに(笑)
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