Fauret

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                    * 「あのね、聞いてほしいことがあるの」  愛すべき娘の顔からはいつもの笑顔が消えていた。  そんな娘の顔を見たことがない友達は皆、冗談だと思ってしまい、逆に茶化されているという誤解を抱かせてしまうのであった。  元来、悩みというものは他人に聞いてもらうことで減るはずなのに、耳を貸してばかりの娘には、だれも耳を傾けようとしなかった。
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