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呉服町商店街。
某駅から北に7分。
うっそうとしたビル群のなかにそのビルは静かにたたずんでいた。
メゾン・ド・トリコロールというのがそのマンションの名前だった。
築40年。
景気が良かった昭和頃、どこぞの会社が建てた西洋風のビルは最初店舗兼貸事務所と使われていた。
景気の後退によりレンタルしていた会社がことごとく撤退。
一度は抵当をつけ借金のカタに売り出されることになったが買い手がつかず、2階から上を住居に改築して賃貸住宅へのリフォームが行われた。
その後住人が何度も入れ替わりながら、やはりひっそりと街中に存在している。
この物語はこのマンションを舞台とした物語である。
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