Language of Flower

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窓の隙間から吹き込む風が、ほのかに甘い花々の香りと野鳥の囀りを運んでくる。 オレンジ色の暖かさを纏った光はガラスで屈折して、部屋の壁でチラチラと踊っている。 イートン校にも春が訪れ、ゆったりとした時間の流れが校内に満ちていた。 こんな日に外に出られたらさぞ気持ちがいいだろう、そんな事を考えながらアーネストはぼんやりと窓を眺めていた。 どうやらここ数日、風邪を引いてしまったようだ。 季節の変わり目だからだろうか、身体が怠く、頭痛がひどい。 最初は微熱だからと気に留めなかったのだが、とうとう昨日から起き上がることが出来なくなり寝込んでしまった。
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