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俺、新田基(ニッタハジメ)は今日
全寮制男子校誠凌(セイリョウ)学園に入学した。
誠凌学園は小学校から大学までのエスカレーター校、そして大企業のご子息等々が通う金持ち学校として有名な所だが山々の奥の奥にある不便さでも有名だったりする。
そんな便の悪い誠凌を選んだ理由はとても単純だった。
この学校の偏差値と俺の偏差値が合致したから。ただそれだけ。
だが特待生として入学すればそれなりのメリットがあると中学の先生に言われ猛勉強し、特待生として入学した。
メリットは入学金免除、寮費免除、食堂などの費用を学校負担と特別裕福な家庭ではない俺としても両親としても教育費がかからないならそれに越したことはない。
ただその特待を受けるにあたっていろいろと条件を出されていた。
定期考査等の試験では常に3位以内に居続けること
委員会又は部活に入ること
欠席は出席停止状態以外3年間で60日以内
その他に細かい条件を突きつけられた。
正直、常に3位以内ってこと以外は特に困るようなものはなかったから少し安堵している。
そんな一般家庭から入学した俺は簡易な入学式に参加している。
外部からの学生は殆どいないらしく同級生からは誰あいつ?とでも言いたそうな顔でチラチラと見られていた。
居心地が悪く少し下を向いてしまったその時。
「続きまして、風紀委員から委員長より挨拶」
司会を務めていた先生の声がマイク越しに体育館に響き、ふと顔をあげた。
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