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そして夜が明けて、次の日。
目がさめて辺りを見回してみる。
夢じゃ…ないんだ。
ふとテーブルを見てみると、そこにはパイがあった。
どうやら、トリエルが置いてくれたみたいだ。
一口食べてみる。
とても美味しい。
あっという間に全部食べてしまった。
お腹もいっぱいになったところで、部屋の外に出る。
どうやらアンダインはもう来ているみたいだ。
「おう!遅かったな!もうあたしは待ちきれないぞ!」
「あら、じゃあお見送りしないとね。」
「そうだね。彼らに息子のお手伝いを頼むことになるかもしれないんだ。」
二人は笑顔でそう言った。
「ここにはいつでも戻って来て良いからね。私たちにはこれくらいしか出来ないからな。」
「絶対に悪い道に進まないようにしなきゃダメよ?いつも優しさを忘れないでね。」
僕はありがとう、と手を振ってアンダインと共にRUINSを後にした。
外は雪が降っていて、少し寒い。
「うぅ、ハーックション!…お前寒くないのか…?」
アンダインはどうやら寒さに弱いみたいだ。
僕も十分寒い、とアンダインに伝えた。
「全っ然そう見えないんだがな。…ん?あれは…。」
アンダインが見つめる先には小さな検問所のような、粗末な建物があった。
そこには、パーカーを着た骸骨が居た。
「おう、アンダインじゃねーか。人間の子を連れてどうしたんだ?」
「ああ、こいつがアズリエルに会いに行きたいみたいでな。そのお守りだよ。サンズはどうしたんだ?パピルスと一緒じゃないのか?」
サンズと呼ばれた骸骨は少しダルそうに答えた。
「あー、俺はちょっとここで骨休みをな。骨だけに。」
…寒い。
「サンズがパピルスと離れて休暇か?それは目から鱗だな!魚だけに!」
…とても寒い。
「やるじゃねーか。ま、本当はちょっと仕事でな。」
寒いジョークは言うが、サンズは悪い人ではないようだ。
人というか、骸骨か。
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