RUINSの外へ!

2/11
前へ
/44ページ
次へ
そして夜が明けて、次の日。 目がさめて辺りを見回してみる。 夢じゃ…ないんだ。 ふとテーブルを見てみると、そこにはパイがあった。 どうやら、トリエルが置いてくれたみたいだ。 一口食べてみる。 とても美味しい。 あっという間に全部食べてしまった。 お腹もいっぱいになったところで、部屋の外に出る。 どうやらアンダインはもう来ているみたいだ。 「おう!遅かったな!もうあたしは待ちきれないぞ!」 「あら、じゃあお見送りしないとね。」 「そうだね。彼らに息子のお手伝いを頼むことになるかもしれないんだ。」 二人は笑顔でそう言った。 「ここにはいつでも戻って来て良いからね。私たちにはこれくらいしか出来ないからな。」 「絶対に悪い道に進まないようにしなきゃダメよ?いつも優しさを忘れないでね。」 僕はありがとう、と手を振ってアンダインと共にRUINSを後にした。 外は雪が降っていて、少し寒い。 「うぅ、ハーックション!…お前寒くないのか…?」 アンダインはどうやら寒さに弱いみたいだ。 僕も十分寒い、とアンダインに伝えた。 「全っ然そう見えないんだがな。…ん?あれは…。」 アンダインが見つめる先には小さな検問所のような、粗末な建物があった。 そこには、パーカーを着た骸骨が居た。 「おう、アンダインじゃねーか。人間の子を連れてどうしたんだ?」 「ああ、こいつがアズリエルに会いに行きたいみたいでな。そのお守りだよ。サンズはどうしたんだ?パピルスと一緒じゃないのか?」 サンズと呼ばれた骸骨は少しダルそうに答えた。 「あー、俺はちょっとここで骨休みをな。骨だけに。」 …寒い。 「サンズがパピルスと離れて休暇か?それは目から鱗だな!魚だけに!」 …とても寒い。 「やるじゃねーか。ま、本当はちょっと仕事でな。」 寒いジョークは言うが、サンズは悪い人ではないようだ。 人というか、骸骨か。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加