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だが、真実なのだろうか。二人して
口裏を合わせてはいないだろうか。
彼を疑いもしなかったけれど、もし
二人が示し合わせていたとしたら、
自分が宗一の部屋にいるとき、
早生子から宗一に何の連絡が
なくても不思議はない。
美咲は自分だけが宗一の恋人だと
思っていた。二人で出掛け、彼の
アパートへ通い、掃除し、洗濯し、
食事の準備をするのが楽しかった。
他の女が出入りしている様子など
微塵も感じなかった。彼に過去に
女がいなかったとは思わなかったが、
現在は自分だけだと信じていた。
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