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儚い夢でも独占したがるのは女の
業(ごう)か。
恋人を独占できないと早生子が
知ったのはいつだったのだろう。
覚えていないということは相当前
なのかもしれない。自分が彼氏の
一番なのは今現在のことでしかない。
明日は二番どころかランク外になる
可能性だってある。
「彼を呼びましょう、そろそろ。」
早生子は宗一に電話した。彼の携帯
番号は既に電話帳から削除したが、
指が覚えている。慣れた手つきが
更に美咲を不安にさせた。宗一は
早生子とは単なる友達だと言った。
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