第1章

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名前にみどりを入れたかった。呼ばれる度に高村くんとの思い出に触れられる気がしていたけど… 高村くんも優人で売っている。あ、優人のゆうとレイでユウレイだ。 一緒に仕事をするなんて無いと思うけど、ユウレイなんてなとなく嫌だ。 レイじゃなくて他の名前にならないかな… 一回限りかもしれないモデルの名前にそんなに拘ることも無いのかな? それにレイは浅井夕貴とは別人だ 私であって私じゃない レイが一人歩きを始めている。 化粧をしていない私はきっとレイだと気づかれない 高村くんも気付かないだろう それならレイでいい 店長とユキさんにまた輝きをプラスされてレイの鎧を着て撮影に向かった。 途中の自販機の前で撮影が終わった女の子たちの集団に刺々しい視線を向けられたけれど、完全武装の私は怯まない。 何事もないように視線も変えずスタジオに向かった。
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