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「ふーん、楽しかったんだね、今凄くいい顔してる。レイちゃん、両手を空に上げてみよう。
ほらたんぽぽの綿毛が落ちてくるよ見えるでしょ?
触れてみようよ。」
島田さんは魔法が使えるみたいだ。
彼にそう言われると、野原にいるような気分になって綿毛が見える両手を広げて綿毛に手を持っていく。
「いいね。とれた綿毛をそっと吹いてまた飛ばしてあげて。」
口の前に持っていきフーッと息を吹き掛ける
「綿毛は野原を自由に舞い始めたよ。ほら回りを見渡してごらん、そこは綺麗なお花畑。青い空の下には色とりどりの花が風にサヤサヤ揺れてるよ、きれいだねー。」
お花畑が見える。その真ん中に私がいてまるで私もお花の一つになった気分。
「レイちゃん、凄くよかったよ。他の子が終わったら、もう一回取るから山ちゃんに言って次の衣装を付けといて。」
「はい、ありがとうございました。」
え、もう終わったんだ。島田さんに催眠術を掛けられてる気分だった。
途中からシャッター音も聞こえなかった。
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