第1章

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これからは子供のことより父と二人で楽しいことをいっぱいして欲しい。 心からそう思えた。 「それ賛成。母さん家のことばかりで自分が楽しむことしてなかったでしょ? 私は大丈夫だよ。もう高校生なんだから留守番だって出来るし、自分のことくらい自分で出来るんだから。 父さんとデートでも旅行でもいっぱい楽しんでよ。」 「そうする。夕貴は子供だ子供だって思ってたけど、いつの間にか大人になったわね。」 染々とそんなことを言う母の顔は、少し寂しそうに見えた。 それから父母は週末の度に出掛けて、私は一人で留守番をすることが多くなった。 と言っても、千晶たちに誘われて出掛けることが多いのだけど…。 貯まっていたお小遣いは大分減ったけど、千晶たちといると楽しくて高村くんのいない寂しさを忘れさせてくれた。
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