第1章

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高校に入学して2度目の桜の季節がやって来た。 高2に進学し、千晶と同じクラスになり七海と離れてしまった。 と言っても廊下で会うと言葉を交わし、昼休みも中庭などで七海も一緒に過ごすことが多い。 中庭で今日も七海と千晶とまりえと美也と私でまったりとした昼休み。 「え、夕貴もお化粧するの?見たいな。」 「夕貴は普段しないからスッゴい化けるんだよ。 女は魔物だね。」 「自分だって女でしょうが?」 「そうだけどさ、夕貴ほど化けられないよ。」 「確かに。」 「化ける化ける言わないでよ。オバケじゃないんだから。」 「ありゃオバケだね。道行く人はみんな夕貴を見てるんだから…。」 「そうだよ。夕貴はオバケだね。詐欺師だ。」 「人聞き悪いよ。」 確かに店長に化粧して貰うと回りの視線を感じる。 嬉しいような恥ずかしいような変な気分。 2回目になると視線にも大分慣れてそこまで意識しなくなった。 と言うか見られることが嫌じゃない。 「今度夕貴の化粧した顔を見せてよ。私もその店長にしてもらいたい。」 「最近毎日ショップに行くんだよ。」 「今日部活サボろっかな。」 「いいの?試合近いんじゃないの?」
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