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幸次郎に両親は居ない。
交通事故で両親を亡くした幸次郎は施設で育った。
結局中学もまともに卒業しないまま幸次郎は暴力団に出入りするようになる。
しかし、そこで幸次郎は大きな裏切りを経験する。
父とも兄とも慕っていた男の手によって警察に売られてしまうのである。
初犯でありながら三年二ヶ月年の実刑判決を受け刑務所に収監された幸次郎は、この時全てを失った。
極道でのしあがる夢も、希望も、最愛の女までも。
上層部が下の者から徹底的に金を絞り上げ、チンピラが虫けらの様に扱われる今の極道社会に嫌気が差して、幸次郎は地下に潜りフリーの職業的犯罪者になった。
彼はまるで犯罪のデパートの様な男だった。
あらゆる詐欺に精通していたし、犯罪に使用される道具、例えば架空口座の販売や飛ばしの携帯電話の販売、ペーパーカンパニーの斡旋、麻薬の密輸や密売、銃器の密造、密売、果ては人身売買に抵触するような事に迄手を染めていた。
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