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尋常小学校は十歳で卒業だ。皓は、綴り方や、算術をこれ以上やるのはうんざりだったから、卒業したら、マタギのゆう爺さんの元に弟子入りすることに決めていた。教室で教科書を読むより、野山を思い切り駆け回った方が、よほどせいせいする。今はまだ勢子しかやらせてもらえないが、小学校を卒業したら、猟師として本格的に弟子入りさせると、ゆう爺が両親と約束してくれたのだ。
ゆう爺の元で新しい生活が始まると思うと、皓は嬉しくてしかたがない。一つだけ気がかりなのが、洵のことだった。
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