旅立ち

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 もともと勉学の好きだった洵は、高等小学校で、すぐに頭角をあらわした。当時、一般家庭の子弟で、高等小学校まで行かせてもらえる者は、少なかったから、洵は、両親に大いに感謝した。  かっての悪ガキたちもあからさまに洵をからかうこともなくなった。子供の時代が終わった、ともいえるのだろう。   盆暮れ正月以外は皓に会えなくなったのは寂しかったが、この四年間は洵にとって大いに充実したものとなった。 
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