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「加山、ちょっといい?」
ノックとほぼ同時に休憩室のドアが開いたと思ったら
入り口から結木さんが顔を出した
「あ、はい。今いきます」
1年前の店長との出来事を回想している間に 気付いたら休憩時間も残り僅かになっていた
急いで鏡を覗き 髪を縛り直すと
まだお喋りに夢中な三上さん達に先に戻ると告げて厨房に向かう
厨房に入ると
「加山、ちょっと」
大きい冷蔵室の方で結木さんが手招きして呼んでいる
・・・・?
「どうしたんですか?そんな端っこで・・・・」
「いいから、早く・・・・!!」
周りを気にしながら結木さんが急かす
・・・・?
「お前さ、店長の奥さん知ってるの?」
・・・・・・・・・・・・。
心臓が止まるかと思った
店長の奥さんなんて、私は全く知らない
奥さんについて聞いた事もないし
写真などももちろん見た事などない
「・・・いえ、知らないですけど・・・何故ですか?」
声が上ずったのを
結木さんは気付いただろうか
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