第3章 恋とは甘いのか苦いのか

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 「優子さん、お待たせしました。」  あの時と同じレモネードと、苺が乗ったパンケーキがテーブルに置かれた。  レモネードを一口飲んだ後、クリームと苺をパンケーキと共に頬張った。  「美味しい。」  つい口に出してしまうほど、どちらも美味だった。  甘過ぎず、素材の味を上手く表現している。  「やっぱり、可愛いですね。」  フォークを使い口元に運んでいたパンケーキが、ポロッと落ちた。  「ふふ、クリーム付いてますよ。」  自然な手つきで、私の口の端に付いていたらしいクリームを取った。  彼と目が合い、優しく微笑む表情が視界の中心に入った。  容姿端麗。  男性に言うのは失礼かもしれないが、とても美しい顔立ちをしている。  
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