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徹さんは、何も言わずに私の背中を擦ったり、頭をポンポンと優しく叩いたりしていた。
しばらく経つと、涙と呼吸も落ち着き始めた。
そして、男性に抱き締められた経験が皆無な私。
冷静になると、自分がとても恥ずかしい状況下にあるのだと悟った。
とても、照れる。
徹さんの顔が、見れない。
自分が変な顔になっているのが、分かるからだ。
徹さんは、体を離しテーブルの上に用意していた、温かいおしぼりを私に手渡した。
「これで、目を押さえて下さい。少し、腫れが治まるかもしれません。」
「はい、ありがとうございます。」
おしぼりを当てると、温かい蒸気が目の周りを包み込み、とても気持ちが良かった。
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