第3章 恋とは甘いのか苦いのか

18/20
前へ
/73ページ
次へ
 「ミルク多めの、カフェオレを置いときますね。」    良い香りがする。  それだけで、心の波は穏やかになった。  おしぼりをカウンターに置いて、私は顔を上げた。  「本当に、色々とすみません。」  「優子さん、貴女はもっと人に甘えるべきです。  他人に頼る事は、決して自分が弱いからではありません。  もっと、我が儘になって良いんですよ。  無理に自分を抑え込まないで下さい。」  「はい。」  徹さんは、私の目元を優しく触れる。  「出来れば、俺だけに甘えて、俺に溺れて欲しい。」  心臓が、ドクンドクンと大きな音をたてる。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加