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「ふぉっふぉっふぉ!お困りのようじゃな?─── どれ!ワシがそなたの望みを叶えてやろう!」
「なっ!?何奴!?」
静寂を切り裂く、男とは対象的に年老いた男の軽快な笑いが聞こえ、驚いた男が顔をあげた。
いつの間にか男の目の前には、白く長い髪と髭、ボロ布を纏い、杖を携えた見るからに人の良さそうな一人のお爺さんが立っていた。
「ふぉっふぉっふぉ!其のように警戒するでない。ワシは── 『スニーカーの神様』じゃ!」
「す、『すにぃかぁ』?……な、何だそれは!?其のような名の神など聞いた事ないぞ!!……さては、神だと偽った狢か狸か!? 」
聞き慣れない名を耳にし、狢か狸に化かされているのだと思った男が地面に膝をついたまま腰に携える刀に手を伸ばした。
「ふぉっふぉっふぉ!狢か狸だと?……まあ、聞いた事ないのは仕方ない、どれ!『スニーカー』とは此れの事じゃ!」
そう言って見せたのは、自分が履いている白いスニーカーだった。
「……… 何だその珍妙な足袋のような履き物は?南蛮の物か?」
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