179人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
『佐山くん、今日の予定は?』
社長室でデスクに肘をついて、手を組む真樹が聴いてきた。
直ぐに手帳に書かれているスケジュールを見始めると、「君の今夜の予定だよ」と甘い声でデスクから立って花南の耳元で囁いた。
『わ、私の?予定ですか?』
あまりの甘い囁き声に、声が裏返り、真樹がすぐ傍に居ることに身が強ばった。
『そんなに固く考えなくていい』
『一緒に食事をしたいんだ』
真樹の言葉に、“食事の先”を想像しはじめたのを脳裏から必死に振り払おうとした。
『花南の手料理が食べたい』
更に甘く囁き、耳たぶを甘噛みしてきた。
『君は唇だけでなく、全身が甘いチョコレートの様だ』
唇が首筋に降り、だんだんと愛撫を重ねる。
このままではいけない!
でも、彼の唇から漏れる息は、限界を覚えている。
パーティーから2週間経って、キスだけでなく、手を握る事すらしていなかった。
あの甘くて激しいキスを味わいたいと思っていたのは、真樹だけでなく、花南も同じだった。
身体が、震え彼の唇からの愛撫に耐えかね身体を預けた。
互いに瞳が重なると、それが合図かの様に貪るキスをした。
最初のコメントを投稿しよう!