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真樹と花南は、互いを求め合う様に、キスを交わした。
彼は花南を、優しく抱き寄せ「この続きは、また今夜に」と言って離れた。
足をふらつかせながら、社長室を出る花南を見て、少しやり過ぎたか?と章介は思った。
彼女の色恋沙汰を、今迄聴いたことがない。
入社後、1年で秘書課に配属され、半年後には真樹の付き合っている女への贈り物選びをする事に耐えかねた当時の秘書が辞めて花南が秘書になった。
あれから5年。
彼女は、俺の代わりにどんな想いをしてプレゼントを選んでいたのだろうか?
それを思うと、花南に対して初めて罪悪感を覚えた。
彼女になんて残酷な事をし続けたんだ!
花南は、秘書室に戻るとデスクに顔を埋めた。
社長室で、あんなキスをするなんて、私はどうかしているんだわ!
花南は、別の罪悪感を感じていた。
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