俺、戦々恐々

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「今日は武田君の番だね」 初回と同じく、加藤さんが俺にレシートを差し出した。俺は一番下にポテトグラタンパンと普通のメロンパンを書き足した。 「今日もサービスしてもらえる様祈ってるよ、武田君」 加藤さんの下世話にも慣れつつある。 「はは…行ってきます」 店員に来ないで下さいと言われた事については、職場のみんなには黙っている。無闇にリユニヨーネの株を下げるつもりは無いからな。アウェーになりかねないし。 「ふう…」 だがそれは同時に、自らを拒絶した人間の居るパン屋に代理を立てず、自分の足で行かなければならない事をも意味している。 「マジで何だったんだろ…」 エレベーター内で1人だからか、つい口に出た疑問。 チーン イッカイデス あの時とは別の店員が対応してくれる事を祈ってダッシュ。 カランカラン… 「げ」
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