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「やっぱり君ぃ、スジが有るんじゃないかぁー?」
「何の事ですか?」
「私のきな粉パン、1個多いんだよ。これは間違い無く君の分だ」
加藤さんはそう言って、俺にきな粉パンを差し出す。
「全く、羨ましい限りだ。若さには勝てないな」
確かに俺の時限定で2回もきな粉パンが追加されていたとあれば、そう思うのも頷ける。だが実際は違う。
「まあ、貰えるもんは貰っときますけど」
「それならあの胸も貰っておいたらどうだい?」
そろそろセクハラで訴えれそうだな、このおっさん。俺は大きく口を開けて、きな粉パンをまるっとひとくち。決して好みでは無いが、まあ悪くは無い。
「次回も楽しみだね?武田君」
グーグル先生、上司による執拗な肘打ちはパワハラに入りますか?
「はは…」
きな粉でふと、幼馴染の事を思い出す。そいつはきな粉が好き過ぎて、アダ名がきな子だったっけ。
「お茶貰えますかー?」
お茶が来るまでの間に普通のメロンパンを少しだけかじった。やっぱきな粉なんかよりこっちだわ。
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