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加藤さんが紙切れを俺に差し出す。
「何ですか?」
受け取った紙切れはどこかの店のレシートらしく、カタカナでリユニヨーネと大きく書いてある。加藤さんがさっきから推してるパン屋のレシートか。
「みんなの注文」
レシートを裏返すと、確かに色々書いてある。
「このビルを出て左に真っ直ぐ行くと看板が有るから」
「分かりました」
パシリかよ。まあ、おごりなら良いけど。あ、店員が可愛くて巨乳なんだっけ?
「帰りはダッシュで頼むよ」
「はい。行ってきます」
席を立ち、パン屋を目指して小走り。途中、同僚の弁当やカップスープの香りに反応して胃袋が鳴った。
「今日は武田君?」
「行ってらっしゃーい」
オフィスを出る時、女性社員が俺の背中に声をかけた。彼女らも今日はリユニヨーネなんだろうか。
下りのエレベーターの中で、俺は店員がどのくらい可愛いのかについて、ぼんやりとイメージしていた。だが、空腹感に邪魔されて捗らなかった。
チーン イッカイデス
「ビルを出て左を直進だな」
加藤さんに邪魔されたせいで腹が減ってしょうがない。行きもダッシュ。
「あれだっ」
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