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水曜日の夜、
先島アヤは久しぶりに渋谷に寄った。
路地裏地下の居酒屋、
かざぐるま。
初めてこの店の暖簾をくぐったのは大学生の時。
「どうかなすったかい、
アヤさん?」
幾度か通ううち、
マスターに名前も憶えてもらった。
いつの間にかその店では
メガネをはずすようになっていた。
「今日は、
少し疲れたの。
焼酎がいいわ」
確かにそのようだ。
その声はいつも以上にハスキーだった。
熱い芋焼酎を手に、
アヤは一人物思いにふけった。
(あれからもう7年・・・)
卒業したばかりの2009年4月は氷河期だった。
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