2.見つかった犯人

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日記のページをちぎって窓から投げ捨てました」 息を呑む、 記者団。 勝ち誇ったように目をつむり聴き入る那須刑事部長。 そのとき越智矢一郎は隣に座る女性カメラマン奈津子と、 もう一度合図の確認を交わした。 「そして私はいつものように通勤電車に乗りました。 自慢するわけではないのですが、 私は見てのとおり、 スリムなのに豊乳、 しかも美脚です。 だから・・・」 だから!? 色めき立つ居並ぶ記者陣。 加工が施されたその声から想像する肉体美。 「だから、 私、 痴漢対策には万全を期してたんです。 女子高生の頃から、 いざという時のためのメモ用紙。 そしてあの日、 私はまたも・・・痴漢されたんです」 スピーカーから届く、 女の嗚咽。
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