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日記のページをちぎって窓から投げ捨てました」
息を呑む、
記者団。
勝ち誇ったように目をつむり聴き入る那須刑事部長。
そのとき越智矢一郎は隣に座る女性カメラマン奈津子と、
もう一度合図の確認を交わした。
「そして私はいつものように通勤電車に乗りました。
自慢するわけではないのですが、
私は見てのとおり、
スリムなのに豊乳、
しかも美脚です。
だから・・・」
だから!?
色めき立つ居並ぶ記者陣。
加工が施されたその声から想像する肉体美。
「だから、
私、
痴漢対策には万全を期してたんです。
女子高生の頃から、
いざという時のためのメモ用紙。
そしてあの日、
私はまたも・・・痴漢されたんです」
スピーカーから届く、
女の嗚咽。
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